必死に〈他者との関わり〉を欲望する、どうしようもなくダークで切ない 人間の本性

2016.01.15 Fri TEXT:BANANA WTT CATEGORY:PRODUCT

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ダムタイプをはじめ様々な分野で活躍する川口隆夫による、ロサンゼルスのメディアスタディーズ研究者/インディペンデントキュレーターのジョナサン M. ホールとの共同プロジェクト。1960年代、公衆トイレにおける男性間の性行為について詳細かつ科学的に研究を行ったロード・ハンフリースの研究資料を手がかりに制作された本作は、世界各地においてLGBTの社会的権利が確立していく現代にあって、あえて、差別され抑圧されてきたがゆえに発明し発展させてきた「逸脱した」文化に焦点を当てた、非常に刺激的な作品。ドラマトゥルク/アートディレクションとして飯名尚人、音楽に恩田晃、映像に今泉浩一、写真には鷹野隆大も参加。


必死に〈他者との関わり〉を欲望する、どうしようもなくダークで切ない 人間の本性

1960年代、公衆トイレにおける男性間の性行為について詳細かつ科学的に研究を行ったロード・ハンフリース。彼の研究論文をもとに、ジョナサン M. ホール (ロサンゼルス) と 川口隆夫 (東京) が国際共同プロジェクト「TOUCH OF THE OTHER」を立ち上げた。
世界各地において LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の社会的権利が確立していく中で、あえて、これまでの "逸脱した" 文化に焦点を当て、これからの未来を社会に問う。

ロサンゼルスのONE Archivesに所蔵されている、社会学者ロード・ハンフリースの調査研究資料をもとにロサンゼルスおよび東京で滞在制作、2016年1月にスパイラルホールにて新作パフォーマンスを発表する。


同性婚の合法化により、特に60年代後半から始まったゲイ解放運動は、その最大の目標を成し遂げたかのように見える。同性愛者を始めとする性的マイノリティは、いよいよマジョリティの経済的、法的、文化的秩序に参画しつつあると言えるだろう。しかし、このような性的少数者たちが多数者によって「平等な地位」を与えられる時、少数者は彼らが社会の除け者だった時代に彼らを彼らたらしめてきた「行為/習慣」を捨てることが求められる。

19世紀から20世紀を通じて、差別され抑圧されてきたがゆえに発明し発展させてきたユニークなゲイのセックスカルチャーは、今、インターネットやソーシャルメディアの普及もあいまって、大きな転換期を迎えている。

世界各地においてLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル/ジェンダー)の社会的権利が確立されていく中、Touch Of The Other はあえて、この捨て去られるべき、”逸脱した”性を探求し、何故それが私たちの社会の未来にとって重要な意味をもつのかを追求する。

Laud Humphreys (1930–1988)
ロード・ハンフリース

1930-88年。アメリカの社会学者。60年代、公衆トイレにおける男性間の性行為について、ユニークな方法論と執拗なフィールドワークで詳細かつ科学的な調査研究を行った。70年に出版されたその研究論文「Tearoom Trade」は社会学に大きな影響を与え、LGBT解放運動の大きな後押しとなった。

ONE National Gay and Lesbian Archives at USC Libraries

南カルフォルニア大学図書館に所蔵する世界最大規模のLGBT(レズビアン/ゲイ/バイセクシャル/トランスジェンダー)関連アーカイブ。書籍や文書、新聞雑誌などの文献資料から写真、映像、アート作品、衣装、オブジェにいたるまで幅広い研究資料を集め、世界中から研究者が訪れる。また関連テーマの展覧会や講演、シンポジウムなども開催している。


公演 「TOUCH OF THE OTHER」 ー他者の手ー
東京会場 スパイラルホール 日程
2016/01/15(金) 19:30開演
2016/01/16(土) 19:30開演
2016/01/17(日) 15:00開演
料金 3500円

コンセプト
ジョナサン M. ホール

構成・演出
川口隆夫
ジョナサン M. ホール

ドラマトゥルク・アートディレクション
飯名尚人

振付・美術
川口隆夫

音 楽
恩田 晃

映 像
今泉浩一

衣 装
北村教子

出 演
芝崎健太
ドリュー・ウッズ
マルコ・アレホス
斎藤栗子
佐藤ペチカ
川口隆夫

写 真
鷹野隆大

舞台監督
鈴木康郎

照 明
中山奈美

音 響
荒木まや

映像デザイン
飯名尚人

映像オペレーション
山田酩酊

宣伝美術
北口加奈子

WEB
飯名尚人

資料提供
ONE National Gay and Lesbian Archives at USC Libraries(ロサンゼルス)

ロサンゼルス / 東京 国際共同プロジェクト
Jonathan Mark. Hall and Takao Kawaguchi
performance

川口隆夫
Takao Kawaguchi
構成・演出・出演
1996年から2008年まで「ダムタイプ」に参加。同時に2000年以降はソロを中心に、演劇・ダンス・映像・美術をまたぎ、舞台パフォーマンスの幅広い可能性を探求、他ジャンルのアーティストとのコラボレーションも多い。近作に『病める舞姫をテクストに―二つのソロダンス』(共演: 田辺知美、大野一雄フェスティバル 2012)、『大野一雄について』(大野一雄フェスティバル 2013)。また2008年より「自分について語る」をテーマにしたソロパフォーマンスシリーズ『a perfect life』を展開。その Vol.6「沖縄から東京へ」で第5回恵比寿映像祭(東京都写真美術館、2013)に参加した。

香港のディック・ウォン、映画監督今泉浩一とともに『Tri_K』(10〜12)など、コラボレーションも多数。その他、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のディレクター(1996〜99)、イギリス実験映画監督デレク・ジャーマンの『クロマ』共訳(03 アップリンク)、短編映画『KINGYO』(エドモンド楊監督、09ヴェネチア映画祭正式招待作品)に出演するなど、その活動は多岐に渡っている。 http://www.kawaguchitakao.com/

ジョナサン M. ホール
Jonathan M. Hall
コンセプト
ポモナ大学(ロサンゼルス)メディア・スタディーズ学科助教授。アジア映画研究を専門とし、日本、中国、そして東南アジアのインディペンデント映画のキュレーターでもある。2004-05年にはJPEX:日本実験映画祭ー1955年から現在までーにおいてプログラミングを担当。JP`EXは日本の実験映画を紹介する海外の映画祭としては最大のもので、北米6都市およびフランクフルトを巡回する。またロサンゼルスの「China Onscreen Biennial」でキュレーターを務めている。また、日本の戦後の実験映画におけるセクシュアリティおよび心理分析の研究、同じく日本の写真における男性エロチシズムの研究も行っている。現在、日本人写真家の矢頭保の写真集の編集に取り組んでいる。

飯名尚人
Naoto Iina
ドラマトゥルク・アートディレクション・映像デザイン
舞台とメディアのための組織Dance and Media Japan設立後、海外からアーティスト招聘プロジェクトを多数行う。プロデューサーとして、アートパーティー『マムシュカ』『国際ダンス映画祭』など。映像作家として、佐藤信、川口隆夫、小池博史の作品に参加。ドラマトゥルクとして、川口隆夫『大野一雄について』『a perfect life 6』。演出作品として、遊郭を描いた『ASYL(アジール)』(西松布咏、寺田みさこ / 2011年 京都・永運院、池上実相寺ほか)、森鷗外の「雁」の舞台版『忍ばずの女』(大野慶人、西松布咏ほか)、資本主義と社会主義の間を彷徨う写真家を描いた『熱風』(平野正樹、笛田宇一郎、川口隆夫ほか / 2014年 京都芸術センター)。フィクションとドキュメンタリーの境界を行き来する作風でジャンルを越えたコラボレーションを行っている。 http://dance-media.com/iina/

恩田 晃
Aki Onda
音楽
音楽家、パフォーマー、ヴィジュアル・アーティスト。日本に生まれ、ニューヨーク在住。四半世紀に渡って録り溜めたフィールド・レコーディングを用いたプロジェクト『カセット・メモリーズ』で知られている。カセット・ウォークマンを楽器として使用。録音を行なうだけでなく、エレクトロニクスとともに操りパフォーマンスを行なう。ジャンルを越境し、美術、映像、ダンスの分野でも活動。マイケル・スノウ、ケン・ジェイコブス、ラハ・レイシニァ、アラン・リクト、ローレン・コナーズ、鈴木昭男、横田大輔らとコラボレーションを継続している。 http://www.akionda.net/

今泉浩一
Koichi Imaizumi
映像
映画監督、俳優。1985年より「東京グランギニョル」に俳優・制作スタッフとして参加後、二代目一条さゆりの黒子として、全国のストリップ劇場を廻る。1990年、佐藤寿保監督のピンク映画「制服盗撮魔 激射・なぶる!」で映画俳優デビュー、以降ピンク映画を中心にVシネマ、アダルトビデオ、ゲイポルノ映画、自主映画など100本以上の映像作品に出演する。1999年、自主制作で第1回監督作品「憚り天使」監督、同年岩佐浩樹とともにhabakari-cinema+recordsを設立。「NAUGHTY BOYS ノーティー・ボーイズ」監督(2002年)、10人の監督による5分間の短編作品を集めたオムニバス映画「Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN」企画・製作(2004年)、自身も短編「キスしてほしい」監督。「初戀 Hatsu-Koi」監督(2008年 第58回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式招待)。長編「家族コンプリート」監督(2010年 香港国際映画祭)「すべすべの秘法」監督(2014年)。

舞台作品では、川口隆夫+March 2000「世界の中心」出演(2000年)、2010年から2012年にかけてディック・ウォン、川口隆夫とともに制作・出演したパフォーマンス「Tri_K」(日本〜香港〜ポルトガル〜ブラジル)。 http://www.shiroari.com/habakari/

鷹野隆大
Ryudai Takano
写真
写真家。1963年福井県生まれ。2006年にセクシュアリティをテーマにした写真集『IN MY ROOM』(蒼穹舎)で第31回木村伊兵衛写真賞を受賞。2011年には日本特有の街並みを写した写真集『カスババ』(発行:大和プレス/発売:アートイット)を発表。性や都市といった日常的な事柄を題材に、制度化された視覚の外側を模索している。他の写真集に『男の乗り方』(Akio Nagasawa Publishing、2009年)、『α』(SUPER DELUX、2012年)などがある。共著に、鈴木理策・松江泰治・倉石信乃・清水穣との『写真分離派宣言』(青幻舎、2010年)、文学研究者の新城郁夫との『まなざしに触れる』(水声社、2014年)がある。その他、個展、グループ展多数。

佐藤ペチカ
Pechika Sato
出演

愛媛生まれ。16才からダンスを始め、1997年よりソロ活動を開始する。2006年佐藤、飯田、中川による「SRC(シュガーライス・センター)」結成。近年では、深谷正子「ダンスの犬ALL IS FULL」作品への参加、「遇-Guu-」シリーズVol.1~8の試みなど。

斎藤栗子
Kuriko Saito
出演

大学で劇文学を専攻ののち、2006年より黒沢美香&ダンサーズ・吉福敦子・磯島未来・井上大輔作品、緊縛ショー、紅白歌合戦等にダンサーとして出演。2012年、StudioGOO10周年記念イベント『OUR DECADE』にて川口隆夫×吉福敦子作品『Plastic Dreams』に参加。同時に、ソロ作品『恋金魚』『パラダイス』『神田川の憂鬱』『うさぎ小屋』『山の妖精』『月と袋』などを制作。2013年より3歳から大人までのダンスクラスを担当。アングラアート情報誌『トーキングヘッズ叢書(TH)』にて、2008年よりイラストエッセイや写真作品を連載中。「LCラブコスメ」や「ブラジリアンワックス脱毛ブランドAngelica」にてタイアップ広告やコラム制作など。 http://www.kimusumenoringetsu.jp

芝崎健太
Kenta Shibasaki
出演

日本大学芸術学部文芸学科を卒業後、2005年よりドイツ・ダルムシュタッド市立劇場にてダンサー契約、2008年までの全ての作品に参加。以降フリーとなり、David Bloom,Gisela Rocha,Fabian Chyle,等と共に作品を制作した。2011年帰国。以降自身の創作活動を開始し、「Pieta」(2014),「survivors」(2014),「song for everybody」(2015) 等を発表した。

Planner: BANANA WTT

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  • Like rain and sun, like cold and heat