2019.09.10 Tue TEXT:BANANA CATEGORY:column
環境保全に対する議論は、アマゾン大火災の連日の報道も相まって再び熱を帯びている。
Resident Advisorでも、シーンが果たすべき役割についても特集がスタートした。
地球温暖化の危機にダンスミュージックはどう立ち向かう? https://jp.residentadvisor.net/features/3495
この問題に対してBANANAでもメッセージを発信したいと思う。
飛行機移動は、世界の炭素排出量の3%近くを占め2036年には、約82億人が飛行機での移動をする社会となり、 炭素排出量年間3.5%増えると考えられている。
BANANAでは、移動の体験を作る取り組みを行ってきた。24時間という限られたリソースの中、移動の時間を「早く」する取り組みではなく、「豊かに」するために、時間の圧縮から時間の共有による体験づくりを行ってきた。
それでもなお、私たち自身は、飛行機を使って移動するし、ECサイトは便利で小さなものの購入でも利用してしまうし、運営コストや生活コストを下げるために安価なものを選択し、温暖化を推し進める製造と輸送に加担していることも認める。そして同時にそうした輸送による二酸化炭素排出を食い止めるために生じる混乱やコストに対して、過敏になった世の中にメッセージとして発信することも躊躇してしまうことも事実だ。それは私たちはビジネスとして展開していて、摩擦を避けて円滑に物事を進めるためのバランスを必要としているためでもある。何よりも、現在、私たち自身を、そして私たちが必要とする物を運んでいる手段が「無用なもの」としてハッキリとしてしまうかもしれないと突き付けられるような、喪失感や変化を受け入れる怖さを持っているからだ。
そうした、「正常な状態」から逸脱することへの不安は、たとえこの矛盾した状況が私たちを苦しめているとしても、本来明らかにされるべきものまでも覆い隠してしまっている。ナオミ・クラインの2014年の著書『これで全てが変わる』の中で詳しく述べられているように、すでに利用可能な技術を用いたクリーンな輸送や、地球上の二酸化炭素を一定量に保つカーボン・ニュートラル・エネルギーへの移行の効果は大きく、その効果は世界中の大半の人々に多くの繁栄をもたらし、安全性を高め、生活の質を向上させる機会を与えてくれる。
移動はクリーンエネルギーを用いた車両やライドシェアに移行していかねばならない。
さらに、従来型の車に割り当てられている車線をクリーンな公共交通・バス・ライドシェアに切り替えていくこと、そして鉄道やトラック、船舶についても、バンカー燃料や化石燃料を天然ガスへ、そして電気やカーボン・ニュートラルなバイオ燃料へと、それぞれの資源の供給量の増加に合わせて変更することへの支持を表明していく必要がある。
では、私たちにどのようなアクションができるだろうか?
その一つは、徒歩や自転車ではカバーできない短距離の移動と、飛行機や鉄道では満たせない移動を、バスで活用すること、その先にクルーンなエネルギーへの移行を推進することが一つある。そのために私たちは「移動」の問題を解決するためにbusketをスタートした。まずは車移動を減らすことで、事故と渋滞を減らし、同時に移動の体験価値を変えることからスタートしている。
さらにその乗車自体が「楽で」「簡単で」「自然なもの」になり、あらゆるイベントが渋滞や駐車場問題から解放されて、地域社会とより良い関係が作っていけること、つまり街づくりに貢献することであると考える。そのためにあらゆる思考と実験と投資を繰り返していく。それが私たちの現在の選択です。
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