“パーティーとは街全体に影響を与える総合芸術。“東京とハンブルク、二大都市オーガナイザーインタビュー

2019.12.24 Tue TEXT:STDK CATEGORY:news

ヨーロッパテクノの総本山と言えばベルリンだが、インターネットが発達した昨今、「音楽シーン」という言葉のフレームを幅広くフォーカスした時においてはベルリン以外のヨーロッパ各都市にもそれぞれ魅力ある地場に根付いたコンテンツが発見されることも珍しくなくってきている。

ドイツ第2の都市ハンブルクにおいてクラブという”スペース”に留まることなく、空港、地下鉄、サッカースタジアムなどの公共スペースや廃墟でパーティーを手掛けるオーガナイズチームART&BROTHERSはDIYなパーティーメイカーという点においてはヨーロッパでも一目置かれる存在として活動をしている。

そんなART&BROTHERS主宰でありトラックメイカー・アーティストとしても活動する「Iman Hanzo」をゲストに招き、 12/30 WOMBにて”屋内フェス”「Brightness」を開催する東京のオーガナイザーー・DJ・トラックメイカー「TAICHI KAWAHIRA」が、互いに音楽演出だけにとどまらない”総合芸術としてのパーティーメイキング”という共通項について追及し活動を続ける理由や原点についてインタビューした。

TEXT : 音楽ライターSTDK

     

___お互いのこれまでの音楽経歴について教えてください。

TAICHI:両親がすごく音楽が好きで家にレコードが沢山棚に並んでるような環境で育ったんですね。毎日音楽は常に流れていて、母がピンクフロイドを聴いてたり、父がブルース聴いてたりみたいな日常でした。小さな頃は適当にジャケット見てレコードかけて聴いてたりしましたが、雑に針落としてよく怒られてましたね。 家にギターがあったりして何となく触ったりはしてて、まあ自然とやるようになったのかな。高校くらいにはもう音楽やりたい気持ちしかなくて学校やめてライブハウスで働き始め、10代はひたすらライブ、バンド活動してました。

IMAN: ドイツのハンブルグで生まれ育った僕は15歳の時にお金をためて初めてのターンテーブル、“Technics MK 1210”を買ったんだ。初めはニュージャックスイングが好きで、それからHip Hop, R&Bにハマっていったね。1997年にリリースされたDaft Pankのアルバム"Homework"で初めてエレクトロニックダンスミュージックに触れ、現在に至るまでのすべての始まりがそれだったね。

____お互いが今現在生活をしている地域のダンスミュージックシーンについてどう考えていますか?

TAICHI:個人の音楽的な好みとか性質にもよるかと思うんで一概に良いとか悪いとかは難しいですが、素晴らしいと思う反面、とても閉鎖的に感じて窮屈に思うこともあります。世界的に旬な音楽を追随したべースが基本にあるのは良いとは思うんですが、そこ基準になっていて自由度が失われているなあと感じます。クラブ界隈を締め付ける様々な法的な規制もとても窮屈なものにしている要因だとは思いますが、それでも素晴らしいPartyは沢山あるし、ここ数年の傾向としてはまた野外の企画が盛り上がってきていますよね。自分もレイヴカルチャーからこの世界に入っているのでその点はとても嬉しく思います。

Brightness 2018 After Movie - Music by Taichi kawahira - Axis Original mix

IMAN:ハンブルクでは今はやはりデジタルネイティブな世代がシーンを動かしていると思う。昔はロック・スターが「ロックスター」であったようにレコード・CDを操るDJがスターとなり、いまではSpotifyが次の「ロックスター」のフォーマットだよね。若い世代の電子音楽に関する関心は大きくなっていると思う。時間はかかっているけれども。ハンブルクは少しシーンが固まりすぎていることが問題かもね。少人数だけど個性的でユニークなイベントやパーティーを開催するチームの数は増えてきてはいて、街全体のシーンとしてゆっくりだけれど良い方向に発展しいってると思う。

____それぞれハンブルグ、東京の音楽やカルチャーについてどう感じているか教えてください。

TAICHI: IMANが僕をハンブルクに呼んでくれた今年の春のヨーロッパツアーではドイツ、イギリス、フランスと3ヶ国でやらせてもらったんですが、ハンブルグが1番レイヴ感がありました。ベルリンもとても楽しかったんですが、ハンブルグの方がよりサイケデリックで自分のルーツでもあるレイヴカルチャーに通ずるマインドが在りすごく肌に合ったんですよね。自分の音も凄いハマってくれてとても良いリアクション頂けたし大好きな街になりました。イマンがハンブルグでやってるParty活動は本当素晴らしくて、ツアーでのサッカースタジアム(元サッカー日本代表・宮市亮が所属する「St. Pauli」のホームグラウンド)でのプレイも本当にレアな良い経験させてもらい感謝してます。何か一緒に東京 - ハンブルグ間でやっていこうよと話をしてて、楽曲制作もそうですし、現場でのオーガナイズ活動も、東京のいつものローカルメンバーとハンブルグのローカルメンバーとで楽しく仕掛けていけたら最高ですよね。次は他の日本の仲間も一緒に行ってもっともっと密に繋がり、ワクワクする事やっていきたいです。

IMAN : 僕が初めて日本に来たのは6年前なんだけど、皆親切で礼儀正しいし素晴らしい国だと思ったよ。クラブのサウンドシステムも素晴らしいし、クラブミュージックもすごく盛り上がってるよね。ロック的な音楽は成熟しているように思う。ご飯は美味しいしね。(笑)アニメーションなんかは世界一だと思ってるし本当に大好きな国なんだ。今回初めて東京でプレイできるのは本当に嬉しいし最善の準備をして挑むつもりで新曲もたくさん用意していくつもりだよ。

「パーティー=消費ではなく、街の経済や魅力を伝える資源の一つだと思っているよ。」

____ネットやSNSの登場とともに東京・ハンブルクともにやはりシーンが細分化されていっているんですね。お二人が取り組んでいる音楽活動が街や地域経済に対してどのような影響を与えるものだと考えていますか?

TAICHI:方針や思想としては、非日常を感じてもらえる環境での企画が好きなので、都内で非日常を味わえるスペースや東京以外の地域とも連動してより良い音楽イベントの製作をしていけたらと心に置いています。今、地方のスキー場方面での冬の企画、沖縄での企画なども進めていますが、特殊な環境下での音楽 芸術体験を通じて、地域の方々、訪日外国人客との交流を通じて国内の音楽シーンを盛り上げていくほんの一端だけでも担えたらなと思ってます。

IMAN:僕は2018年からNikki Tigerというハンブルクのヴェニューで音楽キュレーションを担当しているんだけど、コマーシャルな音楽をかけないようにすることに徹底的にこだわったんだ。最初は少し心配だったけど今ではたくさんの旅行客がNiiki Tigerに訪れたがっている。もちろん有名なアーティストを呼んで企画を開催する方が集客は伸びるんだけど、今はSNSなどで情報が手に入れやすいし世界中でエレクトロニックミュージックの需要は高まっているよね。だからこそコマーシャライズされたものに乗ることなく地元の僕たちが信念を持って音楽やイベントを提案する必要があるし、徐々に形になってきていると思うよ。これまで空港や地下鉄や、TAICHIが最高のプレイをしてくれたサッカースタジアムもそうだし色々なところでやってきたけどヨーロッパ中から沢山の人が来てくれるようになっているよ。TAICHIとも話してるけど彼らともこれから一緒に何かを制作していきたいね。

___結局は情熱を持って創造し続けるしかないってことですよね。そんなお二人に共通しているのは「クラブ」というクローズドな空間、音楽コンテンツ「のみ」での表現という部分を排除して、極力自由な発想で空間全体を創造していると思いますが、なぜそのようなことをすることになったのですか?

TAICHI:例えば野外で単純にキャンプして焚き火を囲んで食べるカップラーメンって異常に美味いじゃないですか?笑 あれと同じなんですよね。空の色が変わっていき夕暮れや夜景を見ながら音楽を聴くと自分の心の中に入ってくる音そのものがまるで違うものになりますし、デコレーションに拘ったりするのもその一端ですね。消費されていく一夜のパーティーではありたくなくて、記憶に残る、感動できる時間でありたいし、その為に色々やっています。もちろん何一つ飾らず1night 1djみたいなストイックな夜を否定は全くしませんし、そういった硬派なパーティーも大好きですよ。

IMAN:ほんとTAICHIのいう通りだよね。音楽を通してスペシャルな時間を提供していきたい。彼からは僕と共通する考え方や姿勢を感じることが出来たし、東京で聴いたプレイが本当に素晴らしかったから今年の春にハンブルクにゲストとして呼びたいと思って出演してもらったんだ。特に彼はDJという枠に収まらない非常に才能溢れるプレイヤーで、Nikki TigerではLive Djパフォーマンスをしてくれたんだけどクラウドは皆んな度肝を抜かれて完全に魅了されていたよ。本当にぶっ飛んでた。また彼は来ないのか?って何度も聞かれてるよ。(笑)そう言った意味で一緒に音楽も作りたいなと思ってる。日本という遠い国にも同志がいることを誇りに思うし、そういった繋がりをハンブルクのパーティークラウドたちに提案したりすることも街特有のシーンづくりにおいて大事な役割だし僕しか出来ないことの一つだよ。

____ロックバンドのようにイベントとしての存在感を大事にしながら、クラブという限定された“スペース”に集まるのではなくあくまで自分たちの信念から表現されるパーティーやイベントという“機会”に対して集まってもらいたいということですよね。そんなお二人の今後の野望は?

TAICHI:性格的にノリでやってるとこもありますが、Brightnessとして言うなら野外ですね。この2~3年はかなり色々なところをロケハン行きましたが、中々ピンとくる場所がまだ見つかってなくて。やんわりと進めてはいます。(笑)後は、イマンも言ってるように、東京とハンブルグを繋いでヤバい事やってやろうぜって話してて、個人レベルでの楽曲制作もそうですし現場での企画も面白い事を一緒に展開できたらいいなと思ってます。アジア界隈でのイベント開催に向けたコンテンツ制作などはLUIDAという別名義で進めています。

IMAN:スタジオに沢山入って音楽を沢山プロデュースしながら常にユニークなイベントも開催していけるように自由でオープンなマインドで居続けていきたいね。これからどんどん面白い事を仕掛けていくので楽しみにしていて欲しい。

____最後に、お二人が出演する12/30 Brightness@WOMBに対する姿勢、見どころなど教えてください。

TAICHI:僕らがWOMBでやるとしたらどんな事ができるかな?と考えた時に、テクノのパーティーをしたってそれはちょっと違いますし、WOMBってこんな楽しみ方もできるんだ!というようなものにしたいと言うのがまずありました。ライブ、芸術的な部分、デコレーション、映像などにもとても拘ってやっているつもりではいて、WOMB LOUNGEのライブアクトとして大ファンでもあるCRO-MAGNONに出演してもらえることも楽しみです。もちろん、IMANも本当にかっこいいDJなのでみんなに聞いてもらいたいですし、サブフロアのローカルDJ1人とっても素晴らしいアーティストばかりです。隅々まで楽しめると思いますので当日はライブ見て、ご飯食べたら上に上がって踊って、というように自由に全館行き来して楽しんでもらえたらと思います。ぜひ遊び来てください!

IMAN:僕のことを知らない人がほとんどだと思うけど、年末の大事な日にこうやって機会を与えてもらった事に感謝している。Brightnessはムービーでしか見たことがないから今回が初めてだけど、皆んなとてもハッピーで楽しそうに踊っているよね。彼らに満足してもらえるよう全力を尽くすつもりだよ。

「Iman Hanzo / Brightness Japan Mix」
https://bit.ly/2ZqLjuo

Brightness@WOMB
DATE 2019 - 12/30 mon
START 22:00 - END 4:30
DOOR : ¥3,500yen
Facebook Discount : ¥3,000yen

〈 MAIN FLOOR - 2F 〉
Special Guest Act
▂ IMAN HANZO - from Germany
(Art&Brothers | Me&My Monkey)
Djs
▂ TAICHI KAWAHIRA
(Brightness | LUIDA)
▂ KAZIZI & HIROKI YAMADA
(Greyhound | The Guest House)
▂SIGNAL
(Sammeln | ZERO GRAVITY)
▂JIT & UTA
(INTENTION | SPACE BUDS)
Vj
▂HIDE-ROW x Mikudarihan Uppercut

〈 WOMB LOUNGE - 1F 〉
Special Guest Acts
▂CRO-MAGNON : Live set
(Jazzy Sport | cm production)
▂DJ YOGURT : Rare Groove dj set
(Upset Rec)
All Djs Freestyle set
▂NASTY BOYZ
(MADDCHEF)
▂TAKURO KAWAKAMI
(CUBE l The Guest House)
▂AMBER
(PARANORMAL)

〈 VIP LOUNGE - 4F 〉
Special Guest Act
▂UENO & MOTOKI HADA : Live set
(Cherterhouse Records)
Djs
▂YOSHIKI FUNATSU : Birthday Bash!
(The Guest House)
▂SHAME & KAMEKAWA
(Loose Yourself | Off The Record)
▂YOSUKE NAKAGAWA
(CANDY BOYS)
▂YEARTH
(THE STORIES | Deeep! |MEIYOU)
▂MIDY

Live Art
▂TERUYUKI KURIHARA
Decoration
▂HOOAH ART EXPERIMENT
Food
▂サイババキッチンあべんべ@Cocotable
Photographer
▂TETSUYA ISHIDA
Videographer
▂SHIGENORI HATAI
(HOOAH ART EXPERIMENT)

HUMAN

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  • She wants a man, not just a boy

  • Like rain and sun, like cold and heat