2017.09.22 Fri TEXT:kana CATEGORY:report
世界的異常気象に見舞われた今年の夏。連日30度を超える真夏日だったウクライナの首都キエフにおいても例外ではない。 8月23日、24日と独立記念日の祝日を利用して行われた"BRAVE! Factory Festival”は湿気も入り混じる茹だるような暑さの中で踊ることを想像していた。しかし実際はその真逆で夏フェスとは呼べないほど寒く、夜には白い息が出るほどだった。
寒さに強いウクライナ人であってもブランケットを羽織りながら会場内を歩く人が多く見られ、野外フェス仕様に設営された広大な敷地とこだわったステージ作りに感心しながら、不運としか言いようのない悪天候を心の底から呪った。
しかし、ひどい悪天候だったことを抜かせばBRAVEは非常にクオリティーが高く、是非とも来年も参加したいと思わせる素晴らしいフェスだったことを伝えておきたい。まず会場となった地下鉄の工場跡地だが、ヨーロッパの他のフェスでもここまで広大で贅沢な敷地は見たことがない。
アクセスが決して良いとは言えない僻地にありながら寒空にも関わらずエントランス前には、私たち同様にこの日を待ちわびていた人たちで行列を成していた。大きな倉庫を2つの室内ステージとアートインスタレーションに使用し、野外ステージはライブステージを含む3つで、夜の部と昼の部に分けて贅沢に使用しており、ステージ間も離れていたため迷子になるほど広かった。テクノ、ハウス、バンドとそれぞれの用途に合わせたステージ作り、デコレーション、音響にも感心した。
10代でも参加出来るフェスだったため客層は比較的若く、言うまでもなく美男美女が多い。初日はハードなテクノステージが最も盛り上がっていたが、雨も止み天気が回復してきた二日目の夜の野外ステージに今のキエフの真のシーンが凝縮されていることを感じた。グルーヴの一体感、DJ、オーディエンスともに最高だった。
残念ながらここでの開催は今年のみとなるらしい。是非とも晴天の下でもう一度会場をじっくり見て回りたかったが、主催であるCloserは今後も間違いなく面白いことを仕掛けてくれることだろう。
BRAVEに関しての詳細はこちらをご覧下さい。
http://bnana.jp/mags/closerbrave-factory/
Photo by Roman Ketkov, Sasha Zmiievets
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