2015.06.22 Mon TEXT:BANANA CATEGORY:report
5月29日〜31日の3日間に渡り開催されたBERLIN FESTIVAL2015の模様を写真多めでお送りしたい。
記念すべき10周年となった今年は、ヨーロッパを越え、日本も含む世界中から押し寄せた15000人以上ものオーディエンスによって、大成功のもと幕を閉じた。
UNDERWORLDをヘッドライナーに、WESTBAM、Marek Hemmann、Richie Hawtinなど、原点回帰ともいえるテクノ色の強いラインナップだったが、James Blake、Chet Fakerなどのライブアーティストの出演もあり、フェスティバルらしいバランスの取れた内容となっていた。
会場は、シュプレー川添いの一角に広大な敷地を持つARENA BERLINをメインとし、近隣のクラブやレストランも巻き込んだ大胆で大規模な作りになっており、初日からステージはどこもパンパン状態。
ヨーロッパのフェスは、とにかく会場が広く、あちこちにステージが存在し、バーもトイレも充分に用意されておりほとんど並ばない。これが基本であり、そういった余計なストレスがないところが非常に良い。BERLIN FESTIVALにおいては、まずエントランスからフードコート、出店ブースエリア、各ステージへのスロープが長く、とても開放的であった。
メインステージのARENA HALLEは幕張メッセを古びた巨大倉庫に変え、そこに最高級のサウンドシステムと一流のPAを仕込んだ完璧な空間だった。
天井からは白いボックス型のスピーカーがいくつも吊るされ、センターには360度スピーカー、ステージはライブ、DJに合わせてセットが変わり、背面に背負った大きなスクリーンはかなりのインパクトだった。
秒単位で変化し続ける幻想的なVJ、会場全体を飛び交う七色のレーザーは巨大な万華鏡の中にいる感覚に陥り、そんな中で聴くテクノは心臓にするどく刺さった。
そして、UNDERWORLDのライブは1時間半、全くの別世界にいた。どんな言葉で説明してもチープになってしまうほど完璧で、彼らがこの世に存在していることに感謝するしかなかった。
音響が素晴らしいのは、メインだけでなく、他の全てのステージにおいて同様の良さであることに驚いた。さすがはパーティーシティーベルリンである。
砂浜のフロアー、ウッドデッキ、その先にはシュプレー川に浮かぶプール。まるでリゾーチ地のビーチパーティーにいるようなBADESCHIFFのロケーションは最高にロマンチックだった。リクライニングチェアに座り、後ろから聴こえてくるのはCARL CRAIG。お酒を片手に何とも言えない贅沢な時間だった。
毎週末フェスのような豪華なメンツがそこら中のローカルクラブで聴くことが出来るベルリンにおいて、チケットの高いフェスティバルは全く想像が付かなかった。
リストバンドにお金をチャージしてキャッシュレスにする最新システムは、長蛇の列が出来てしまい、面倒なシステムとなってしまったことと、気温が低かったことが残念だったけれど、それを除いてはパーフェクトと言っても良いほどクオリティーが高く、拍手を送りたいほどだ。
来年もまた是非参加したい。こうして、世界のフェスリストが増えてゆくのだ。
Photo by Katsuhiko Sagai