Ron Trent 「音楽とはそれらの魂やエネルギーを、精神と物質の力をどちらも使ってチャネリングすることさ。」

2014.11.18 Tue TEXT:BANANA CATEGORY:column

BANANAではアーティスト、DJ、クラブ関係者、フェスティバルプロモーター、エンジニア、レコードショップ関係者、そしてフロアを作り上げる一人ひとりのオーディエンスまで、音楽のまわりにいるあらゆる人に、パーティーについて、そして音楽について、自身の体験や考えを語ってもらうシンプルなインタビューシリーズをスタートする。
今回は、フランクフルトでお会いしたRon Trent氏にお話を伺った。

Q : 先月日本でツアーを終えたばかりだと思うんですけど、記憶に残っていることを教えていただけますか?

今回、Airで初めてプレイしたよ。
日本ではこの17年の間でいつもは六本木のYellowかelevenでプレイしてたから。
AirのマネージャーがもともとYellowのマネージャーだったんだよね。
朝の9時半までプレイしてたんだけど、朝プレイするのが一番好きなんだ。
人も音楽にとけ込んでるし、自分が好きな音楽をプレイできる時間なんだ。Jazzでもなんでも。
とにかくその瞬間が一番盛り上がってて、特に最後の5、6枚のレコードはとても楽しかった。
日本のお客さんは音楽の内容をとても堪能しているのが分かるんだ。
日本のお客さんは大好きだよ。実際にクラブにまで遊びに来る人はとてもオープンマインドで、それにほとんどの場合、音楽のことをよく知っているんだ。だから自分のDJとしての体験も良くしてくれる。
今まで体験した中で、例えばまるでDJブースの後ろで僕がマジックを披露するかのようにただジーッと見ている客に対して、何してるんだ、ダンスするべきだ、これはショーではないよと言いたくなるんだ。それに対して日本人のお客さんは音楽をよくわかっていて、彼らのようにパーティーとちゃんと向き合ってくれるお客さんはとても大切な存在だよ。

昔はシカゴでもNYでも一晩中プレイするのが普通だった。
またそれができるのがとても心地よくて、色々な音楽を一晩中プレイしながら、色んなムード作りをしたり、まるで旅のようだ。

それと、大好きな場所があって、日本に来るといつもそこに行くんだ。Little soul cafeっていって東京にあるんだけど。そこは、小さなbarなんだけどオーナーが、よくsoul をプレイしたり、ものすごいたくさんのレコードコレクションを持ってるんだ。彼に、こんなレコードある?って聞くと、彼はそれを持ってきてくれるんだ。
http://littlesoulcafe.com/

僕が世界の中でも一番好きな場所の一つで、たくさんの音楽があって、いつもそこに行くことを楽しみにしてるよ。

他にも、Disc Union、HMV、とか色々。どこの国に行っても、とにかくレコード屋に行ってはレコードを集めてるよ。
色んなジャンルの音楽を聞いて、決まったものを探しに行ったり、冒険してみたり。
興味深いレコードがあったりすると聞いてみる。探すことと発掘することのコンビネーションだね。
でも最近は、自分がプレイしたいほど、レコードをプレイできない。
第一に、持ち運びが大変なんだ。レコードに対応しているサウンドシステムが整っているところを探すのに、時間がかかったり。でも僕にとってレコードはとても大事なんだ。
普段、ツアーに出てるときに、色んな都市で、レコードを集めて、それをプレイしてたりする。
家にはたくさんのコレクションがあって、これからも集め続けるよ。

Q : 初めて行ったクラブはどこですか?

僕がクラブに行き始めたのは1985年。
ちょっとクレイジーに聞こえるかもしれないけど、シカゴで有名なMendel高校でやってたゲイパーティーに行ったんだ。このパーティーは伝説で、Frankie KnucklesやRon Hardyや、その当時地元で名をあげてたDJがそこでプレイしてたんだ。パーティーが好きで音楽が好きで、そこに行くとFrankie Knucklesを聞けたんだ。それは僕が10代の頃だった。

Q:クラブに行き始めたきっかけは?

Mendel高校は近所にあったんだよね。自分の家から3ブロックのところにあったんだ。
Mendel高校に行ってた学生とMendelで行われていたパーティーに行ってた若者で、そこのユースカルチャー(若者の文化)は作られていたんだよ。それが、ハウスミュージックの始まりだったんだ。
最初はパーティーに来てた人はほとんどゲイばっかりだったんだけど、特に一般の人達が参加し始めたときに、ハウスミュージックのシーンはもっと大きくなったんだ。なぜなら、地元のユースカルチャーを作り上げていたのほとんどの人達はゲイではなかったんだよ。そのあと、music boxに行き始めたんだ。

Q : DJを始めたきっかけは?

主に父親の影響だね。それに年上の親戚でもDJをする人がいたんだ。
父親はレコードプールのディレクターであり、DJでもあったんだ。
だから、僕がを音楽を「コレクト」する事に親近感を持つようになったのはその頃から始まったんだ。
音楽を集め始めたのは70年代後半で、DJをやり始めようと思ったのは82年、まだ子供の頃だったよ。
それがその当時のカルチャーの一部だったしね。
ターンテーブルが何かは知っていたんだけど、ターンーテーブル二つとその間にミキサーがあるのには驚いたよ。
Mixingを覚えたのは82年、83年。
実際の自分のミキサーやDJセットを持ったのはもっと後の事だった。
なんたって、良い値段するからね。まだ子供で1200ドルするTechnicsのターンテーブルを持っているなんて、当時は聞いた事なかったよ。それにその辺にあるモノとは違って、クラブ専用のターンテーブルだったから。
ピッチをコントロールできるターンテーブルで、俺の初めてのペアはGemini EB101だったんだ。
ダイアル型のピッチコントロールがついていてね。良くテープエディットなんかをしていたよ。
自分達の好きな曲を引き延ばして、ミックスするんだ。片方のターンテーブルはピッチコントロールして、もう片方はされていなくて、それをミックスする。フィーリング作りというか、スキルに集中して、指で早さを落としたり、クレイジーだったよ。
その後、DJとして熟練されてからは、ピッチコントロール等のツールに頼らなくなった。

Q : あなたに影響を与えたアーティストは誰ですか?

Frankie Knuckles, Ron Hardy, Larry Levan, Timmy Regisford, François Kevorkian

Q : あなたの音楽において影響を与えたフロアはどこのクラブですか?

Yellowかな。
そしてNYの時、Shineって場所では毎週パーティーをしていたよ。
他にもShelter、Body & Soulでも何回かプレイしたし、クラブVinylはもう閉まったけど、昔はShelterだったんだ。
だからVinylとYellowとShineかな。

Q : あなたが経験した一番すばらしい音楽体験はなんですか?

sound factory 1991 Frankie Knuckles! この世のものとは思えない体験だったよ!

Q : いいパーティーの特徴はなんですか?

旅。音楽の旅ができること。

Q : 音楽に魔法があると思いますか?

音楽には魔法があるんだ。ライブの時もそうだけど、制作中もそうなんだ。
ある意味プロデューサーというのは魔法をつくってるようなものさ。
だからクリエイティブな力を使うプロダクション段階も神秘的だと言えるだろう。

Q : 今まで行った国の中で一番お気に入りの場所は?

やっぱりNYだね。

Q : 旅の途中でどんな音楽を聞く?

色々な音楽を聴くよ。特にJAZZとかSOUL, たまにWORLD MUSICも。けどムードによるかな。

Q : アルバムをリリースすると聞きましたがいつリリースされますか?そのアルバムのコンセプトは?

来年の頭にはリリースする予定。今は12インチを出しているよ。
コンセプトはHumans Drums & Machines。
哲学というか、人間からドラムへそしてマシーンへという進化のプロセスであり、若者の文化へ向けての声明でもある。
最近は機械で作った音が多いけれど、本当は生身の生命体の人間がマシーンを使いこなさなきゃいけないんだけど、今時はその逆だ。
だから今の若い世代は、僕らがマシーンを使ってストーリーを描いたり、創造する事を理解していないのではないかと思ってしまう。それよりも彼らは、どうすれば有名になれるかとか、どこかで聴いた事ある音を真似したりとか、自らの手でマシーンを使って創造をするという事をしなくなっている。彼らは運転席を離れ、逆に機械に運転してもらっているんだ。
だからHumans Drums & Machines。
音にはエネルギーが宿るからね。俺はテクノロジーは大好きだけど、運転しているのは自分だ。

Q : あなたにとってパーティーとは?

集い。人々が集まって、魂やエネルギーのお祝いをする場所さ。

Q : あなたにとって音楽とは?

音楽とはそれらの魂やエネルギーを、精神と物質の力をどちらも使ってチャネリングすることさ。

https://www.wasabeat.jp/releases/180966-ron-trent-humans-drums-and-machines-album-sampler-1

BANANAでは、これからも様々な方へのインタビューを続けていく予定だ。
ぜひ、体験を共有しに、現地へ足を運ぶキッカケとなって頂けたら嬉しい。

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