アムステルダム DGTL Festivalとオランダ紀行

2016.04.02 Sat TEXT:Tomomi Senda(Tomoching) CATEGORY:report

おひさしぶりです、ベルリン在住のデコレーターのTomochingです。
今回はオランダ・アムステルダムで開催されたDGTL Festivalを軸に、ぶらりオランダ旅のエッセイになります。わたしが7年前はじめて訪れたオランダの記憶を振り返る内容です。
是非読んでください。

『昔と今』
7年前、わたしはストリートアートとスクワット※1に興味があった。
当時、何か情報はないかと探していた時に見つけた本がある。タイトルは「アムステルダム裏の歩き方」。わたしが求めていた情報がぎっしり書かれたこの本を購入し、はじめて出かけたアムステルダムで得た衝撃と体験を思い出しながら、再びこの本を片手に旅が始まった。

※1 スクワット:空き物件や廃墟、居住者が留守中の家屋などを、所有者や居住者の許可なく不法占拠し、住み着くこと。もちろん不法占拠なので家主の訴えがあれば裁判が行われるが、裁判中は家賃未払いで生活ができる。居住期間はそれぞれの状況によって異なるが、国や後援者から援助を受け存続している建物もある。スクワットは2種類あり、居住目的で入居者以外入れない建物と、カフェや映画館、クラブやライブハウスやアーティストのアトリエも兼ねた入居者以外でも気軽に入れる建物がある。

『税収の増加と変わりゆく街』
ベルリンからアムステルダムまではバスを使用、移動時間は10時間で料金は往復70EUR。飛行機だと1時間半の移動時間で料金はシーズンによりけりだが安いものは100EUR前後で購入できる。
オランダ在住の友人と待ち合わせをし、レコード屋やコーヒーショップの並ぶ通りを歩き、お目当てのストリートアートを観に行くもそのエリアは工事の真っ最中。上を見上げると当時入ることのできなかったスクワットだった。通りを挟んだ向かい側には、当時建物に入りコーヒーを注文したスクワットをみつけた。
昔と変わらず同じ場所にあることに少し安心しつつも、ベルリン同様スクワットが減って商業的なビルが建ち、その土地独自のカルチャーが変化していることに少し寂しさを感じた。

目的があっという間に終わってしまったので、隣にあったコーヒーショップに入り予定を決める事に。私たちが入って間もなくした時、15人程の中高年を引き連れた男性が入ってきた。
何がはじまるのかと覗いていたら、みんな続々とソファに座り写真や映像を撮りはじめる。そう、彼らはコーヒーショップのツアー客と添乗員だった。説明をしつつツアー客に配るジョイントを巻く姿はとても慣れている様子。
オランダは1976年の法改正、1979年のガイドラインを打ち出して以降、マリファナを観光資源としている。この他にソフトドラッグ販売や風俗を税収源として社会保障の一部に当てているようだ。

真剣に耳を傾けるツアー客を横目に、日本とは全く違う政策で活気づく中央駅を後にした。

『アムス中心部からすぐに行ける、DGTL Festival』
デンハーグの友人宅に泊まり、翌日再びアムス市内に向かい今回お目当てのDGTL Festivalへ。
会場となるNDSMは元造船会社跡地、アムステルダム中央駅からフェリーに乗り20分程で会場に到着する。このフェリーは中央駅と北部を結ぶ市民の移動手段で無料で乗車することができる。

DGTL Festival Official HP https://dgtl.nl/?skip_portal=1

フェスは12時から23時まで開催。会場は6つのステージにわかれており、どのステージもとても大きく、この規模が街の中心部でできることに驚いた。

リストバンドにはチップが付いており、ドリンクやフードを注文する時はこのチップを店員の持つスマートフォンにかざすと自動で引き落としがされる仕組み。フェスの名前通りなんてデジタルなんだと感心しながら、Andrew WeatherallがDJをするステージへと向かった。

ベルリンに移住してから、BPM130以上をキープしたテクノを聴きすぎてその音に少々飽きていたので、今回のフェスでWeatherallを聴けることが楽しみだった。
写真を撮っていると、わたしの近くで暴れ気味で踊っていた女の子がニコニコした顔で近づいてきて写真をかわりに撮りたいと申し出てきた。とてもいい笑顔だったのでお願いすると、撮影してくれた写真はぶれぶれ。もう一度撮影したら、1回目よりもぶっれぶれで、それが面白くて笑っていると女の子の彼氏も近づいてきた。
定番の挨拶「Where are you from?」から始まりお互いの自己紹介をした後、彼は「Do you like Minimal?」と質問し、わたしは「Ja, of course!!」そう答えると、にこにこの女の子がさらに笑顔になり「Let’s Daaaance!」と叫んだ。彼らの友人も集まり、そこにはダンスホールができた。今回のフェスで一番印象に残ったのは彼等との出会い。ダンスホールで踊った時間はとても心地良かった、楽しい時間をありがとう!

その後はJob Jobse & Jennifer CardiniのB2B、John TalabotMichael MayerNina Kravizを聴き、アムステルダムの都市型フェスを堪能した。

『濃厚なアムステルダムとフェスを満喫した後は、デンハーグでチルアウト』
旅の折り返し地点。(このレポートも終盤!)
アムステルダムからintercity(高速列車)に乗り1時間程の距離にあるデンハーグは、国際機関・政治機関・王室などの置かれる行政都市。オランダの観光都市はアムステルダムと言われているが、ゆっくり過ごしたいという方には是非おすすめしたい街。まずはデンハーグ中央駅からトラムで30分程の距離にあるデルフトへむかった。

オランダの古都デルフト。店先の横を流れる川をみて、ふと京都に住んでいた頃よく歩いた祇園白川や高瀬川のことを思い出した。アムステルダムも川に囲まれた街だが、場所が変われば川の雰囲気は全然違うように感じる。

デルフトブルーで有名なデルフト焼。白地に青色の装飾絵付けの筆使いは中国の磁器の絵付けを参考にオリジナルデザインへと変化したと言われている。デンハーグでは毎年夏の木曜日と日曜日にアンティーク市が開催されるようなので、次回は夏にデルフト焼とダッチデザインの雑貨を探しに訪れたいと思った。

翌日は出発時間まで自転車を借りて街を散策することに。
アートの街デンハーグ。ヨハネス・フェルメールの有名絵画「真珠の耳飾りの少女」を所蔵するマウリッツハウス王立美術館、ピート・モンドリアンの世界最大級のコレクションを所蔵するデン・ハーグ市立美術館やエッシャー美術館がある。宮殿やビーチを散策しつつ、具象画から抽象画を浸りに美術館をいくつか周ろうと思ったが、信号のない環状交差点の円形カーブに翻弄され、何度も同じ道をぐるぐるし結局たどり着いたのはエッシャー美術館のみ…

有名な騙し絵からあまり知られていない風景画や静物画の展示の他、グラフィックパターンのコレクションも豊富。写真展示やドキュメンタリー映画の上映がされている為、エッシャーについて詳しく知ることができる。また、建物はかつて王室が所有していた宮殿。各部屋の天井から吊るされたシャンデリアや内装はとても美しく、一見そんなに大きく感じない建物だがとても見応えのある美術館だった。

最後は友人の待つ吉弁当へ。帰りの挨拶がてら見学させてもらうことにした。
デンハーグにある築100年のオランダ様式の住宅で作られる手作りのお弁当、ベルリンではあまり手に入れる事のできない魚介を使ったメニューも多く、配達前のお弁当もすごくおいしそう!

「弁当持ってく?」と思いがけない言葉、偶然にもわたしの大好物のカキフライが入ったお弁当だった。

オランダとドイツは隣あう国で言語が似ているものの、文化の違いを少し感じることのできた今回の旅。
今年の夏は長めの滞在プランでオランダを訪れようとカキフライを噛み締めながら心に決めた。


reported by Tomomi SendaTomoching

2006年京都にて活動開始。
「実像の中での虚像」をコンセプトに普段どこかでみたことのあるモノを別のモノへ作り変え装飾をする。東京へ移動し、DJ BARから野外パーティーまで、様々なジャンルのパーティーで空間デコレーターとして活動。現在はドイツ・ベルリンにてマイペースに制作を進めている。デコレーターの他、Webデザイナーとしても活動中。

HUMAN

  • She wants a man, not just a boy

  • Like rain and sun, like cold and heat