Dekmantel Festival 2016

2016.09.14 Wed TEXT:Tomomi Senda(Tomoching) CATEGORY:report

こんにちは、ベルリン在住のデザイナーのTomochingです。野外フェスで盛り上がるヨーロッパ、その中でも群を抜いてクオリティの高いDekmantel Festivalhttp://www.dekmantelfestival.com/)へ去年に引き続き2度目の参加をしました。音旅エッセイとして書き連ねています。是非読んで下さい。

©BART HEEMSKERK

ヨーロッパのベストシーズンとなる8月初旬、アムステルダム市内にある広大な公園Amsterdamse Bosで行われるこのフェスは今回で4度目の開催、チケットは開催前に完売になるほどの人気。同日にアムステルダム市内の文化施設Melkwegで行われるナイトプログラムと合わせ、注目されている秘密はどこにあるのか探ることにした。

このパーティーは、人気上昇中のアーティストと日本にも来日し印象に残るビックスターを凝縮された3日間で楽しむことができる。サウンドシステムはまるで足が浮いた気分になり、いつまでもダンスをしたくなるような極上の音を奏でる。会場の広さは各ステージをまわるのに丁度良い大きさで、キャンピングチェア等キャンプグッツの持ち込みはできないが休憩するスペースも多く、各ステージ周辺にはトイレもたくさんある。

エントランスを抜けると、まず目の前に広がるのはメインステージ。青々とした芝生に宇宙船が降りたったようなイメージのMAIN、メインステージからフードコートに設置されたRED LIGHT RADIOをぬけると薄暗く存在感のある大型室内ステージUFO、エントランスから逆サイドの森林エリアには3つのステージが隣接し、木漏れ日とスモークが美しく混じり合うSELECTORS、樹木が生い茂る温室GREENHOUSE、一番奥にはストリーミング配信をするBOILER ROOMとそれぞれ異なる演出のステージすべてにおいてサウンドシステムはファンクションワンが設置され、フロアは熱狂する入場者の熱に包まれていた。

©DESIRÉ VAN DEN BERG

1日目 オープニングを担当するDJ Harveyは土砂降り雨とともにSELECTORSにてゆっくりと始まった。気持ちが高まる初日がDJ Harveyから始まるというプログラムに驚いたが、彼の選曲はやさしさであふれ、空も雨から一転、気持ち良いさわやかな日差しが木漏れ日を通しフロアに差し込んでいた。DJを終えた後、紙コップを片手にフロアに笑顔をおくるDJ Harveyの姿に微笑み返し、特別感のあるスタートを切った。

©BART HEEMSKERK

朝の雨が嘘かのようにギラギラと眩しい日差しが肌につき刺さる中、GREENHOUSEではDJ兼バーテンダーのMoodymannが熱い声援をおくるヘッズをさらに熱くするかの様に酒を振る舞い会場を沸かしていた。Moodymannが終わり、向かいのSELECTORSにもどるとTheo ParrishとMarcellus Pittmanの5時間にもわたるB2Bが始まった。個人的にB2Bを見ているのが好きなわたしはそれだけでわくわくするのだが、Theo Parrishの縦横無尽な選曲をPittmanがしめるという展開の中、途中DJを終えたばかりのMoodymannがブースに加わった瞬間は胸が動悸する位とても興奮した。

©BART HEEMSKERK

2日目 同期間にアムステルダム市内で大々的に開催されているゲイ・プライド、カナル(運河)パレードを見物した後に会場へ向うと、UFOではPeter Van Hoesenのライブに続きDJ Nobuがちょうど始まった所。自然と調和したステージの多いDekmantelの中で、唯一それを遮断した室内大型ステージUFOは一度入り込んだら時間の感覚がわからなくなるような場所。フロアにはベルリンファッションと言われるブラックコーディネートを中心としたおしゃれに敏感そうな若者達を筆頭に多くの来場者が直向きに音と向かいあっているのが印象的だった。DJ Nobuのステージではオランダ在住の長らく会っていなかった友人や、日本からDekmantel Festivalの為にオランダに来た友人にも会うことができた。

©BART HEEMSKERK

ちなみに、イージージェットでヨーロッパ近郊の国を格安で手軽に旅に出ることができるヨーロピアンにとって日本へ行くことは高額で距離も長く感じる。それなのにフェスの為にヨーロッパを訪問する日本人の多くは、彼等から”クレイジー”という返事を受けることが多いようだ。

©DESIRÉ VAN DEN BERG

Dekmantel Festivalは気になるアーティストが多く出演するため、タイムテーブルが重なった時どちらを優先するべきかの究極の選択をする時が必ず訪れる。私の場合はThe Black MadonnaとMike ServitoのB2Bと同じタイムテーブルで始まったDonato Dozzy。結局どちらも半分ずつ聞いたが、エンターテイメント性が高い海外のフェスではひとつのアーティストを初めから終わりまで通して聴くのが良いと実感した為、少し後悔。 この日はナイトプログラムにも向かい、長年みたいと思いつつもみることのできなかったThe Orbを堪能。テクノを中心に、ダブや民族楽器の音までも取り入れた楽曲が多いのに土臭さを全く感じないのがThe Orbの好きなポイントだが、1時間のライブセットは彼等独特のテクノの世界間を感じ、心地よくこの日を締めくくることができた。

©BART HEEMSKERK

3日目 前日のナイトプログラムに朝方まで滞在し、疲労も蓄積された体を奮い立たせてフェス会場に到着。真っ先に向かったのがLee Perry & Adrian Sherwood。LIVE中、Adrian Sherwoodはアナログミキサーを操り寡黙に音を作り出していき、そのベース音に合わせステージ上に観客を招きダンスをしながら自由なLee Perryの姿を間近でみることができたことは高校生の時”リミックス"という言葉を知った時の自分に報告したいと思った。その後、DJ Koze、Marcel Dettmannの順に、今わたしがベルリンに住み毎週末クラブへ通いクラブカルチャーがいったい何なのかを実際に現場で教えてくれる2人を聴き一心不乱に踊り、今年のわたしのDekmantel Festivalは幕を閉じた。

©BART HEEMSKERK

今回は昨年より入場者数は多く、フロアもフードコートも常に賑わっていた。その周辺を清掃スタッフが何人も巡回しているにも関わらず、パーティーが終わるとフロアにはプラカップやペットボトルの山ができている事は残念だった。Dekmantel Festivalは今回のフェスを行う際に、会場のアムステルダム・ボスとGoodFuels社の協力により100%環境に優しいディーゼルを使いフェスが開催され、昨年に比べ電力の供給を30%少なくするという取り組みをしていることを今回フェス後に知った。(http://www.amsterdamsebos.nl/nieuws-0/2016/dekmantel-biodiesel/) 夏の思い出となるフェスが環境の事を配慮して運営していると思うと、来場者も意識を変えていき、音楽だけではなく会場の雰囲気も更に気持ち良く過ごせる場所であってほしいと思う。

DEKMANTEL FESTIVAL 2016 - Meticulously Shaping Up

【オフィシャルサイト】 http://www.dekmantelfestival.com/

【チケット情報】 3 Day Ticket:€ 120(キャンプ料金を除く) 3 Night Ticket:€ 65(キャンプ料金を除く) Camping Ticket(4 Nights):€ 39 Camping Ticket(5 Nights):€ 48


*尚、BANANAではチケットの手配、現地アテンドなどのサービスを行っています。日本国内から海外フェスのチケットが購入出来ない場合があります。また、日本語のアナウンスは一切ありません。ご希望の方はお気軽にご相談下さい。 お問い合わせ先: hello@bnana.jp


reported by Tomomi SendaTomoching

2006年京都にてデコレーター活動開始。 「実像の中での虚像」をコンセプトに普段どこかでみたことのあるモノを別のモノへ作り変え装飾をする。東京へ移動し、DJ BARから野外パーティーまで、様々なジャンルのパーティーで空間デコレーターとして活動。現在はドイツ・ベルリンにてマイペースに制作を進めている。デ コレーターの他、Webデザイナーとしても活動中。

HUMAN

  • She wants a man, not just a boy

  • Like rain and sun, like cold and heat