【ADE2017特集!! インタビュー第一弾】De School (Amsterdam) オーナー / Ernst Metens (前編)

2017.08.16 Wed TEXT:posivision Amsterdam, Photo: 編集部, Official CATEGORY:column

Amsterdam Dance Eventの開催を10月に控えるオランダ・アムステルダムには、世界をリードする数多くのクラブ/パーティーシーンがある。そこには音楽マーケットだけでなく、街のあり方までをも牽引しているクラブが存在する。 行政と何度も話し合いスタートしたアムステルダムを代表するクラブ「DE SCHOOL」。厳重なクラブポリシーにより、クラブ内部の撮影は一切禁止されている。現在クラブとして利用されている学校跡地の活用は、街をどう変えていったのか?
オーナーErnst Metensに話を聞いた。

De School Amsterdam
http://www.deschoolamsterdam.nl/

2016年1月。アムステルダムの開発予定地区の暗くて誰も寄り付かない、無人になっていた校舎をリノベーションし「DE SCHOOL」はスタートした。手掛けたのは、2005年から2008年まで旧郵便局ビルで「Club 11」、2009年から2015年の正月まで旧新聞社の建物で「Trouw」という両クラブを成功させたチーム。どちらも伝説的なクラブとして、アムステルダムのダンス・ミュージックシーンを牽引した名箱だ。



”新聞社跡地“だった「TrouW」は、さびれた何もない地区でスタートし、6年の間に飲食店だけでなくホテルができるまでの地域に変化しましたよね。

Ernst (以下 Er): TrouwのあったWibaustraat付近は、本当に何もなかったから、当初「そんなさびれた地区まで行かないとならないの??」なんて不満の声もあった。でもその後徐々にTrouwを核にして、6年後にはすっかり町ができあがっていた。同じようなことを、もっと進化した発想で起こしたくて「DE SHOOL」をスタートしたんだ。このWEST地区はまだまだ開発途中で、ここ5年くらいで少しずつ人が移り住んできているといった感じだよ。新しい人がきて新しいことを始めて、地域が活性化していくと信じているよ。

DE SHOOLは24時間ライセンスを取得されていますが、それもTROUWの成功を行政が理解してくれたからですか。

Er: ああ、行政と何度も話し合ったしたくさん書類も作った。新しい人がきて新しいことを始めて、地域が活性化する。それを市も喜んでいるよ。そして、Mirik Milan(アムステルダム・夜の市長)のような存在があることも大きかったんじゃないかな。24時間ライセンスがきちんと渡されるべき場所へ発行されていると思う。

アムステルダムでは「夜の文化」の調整を行う「夜の市長」が投票で選ばれ、本物の市長室所属で活動している。Mirik Milanは2012年に就任した5代目の「夜の市長」。こういった取り組みがあるのもオランダならではだ。

Er: ここの周辺には会社や高速道路はあるけど、住んでいる人がいなかったのはラッキーだった。夜しっかり寝て、朝起きて朝食をとってからフレッシュな気分でクラブに踊りにいくのもいいものだよね。日曜夜に帰宅すれば月曜の仕事にも差し支えないし。

クラブスペース以外に、この建物にはどんなものが入っていますか。

Er: 音楽関連会社のオフィス、小さなステージではコンサートやディスカッション、モダンダンスのコンテンツも開催されている。エキシヴィジョンやコーヒーロースト、アートブックのプリントルームもある。小さな町みたいなコミュニティを目指しているよ。

とてもオープンな雰囲気ですよね。

Er: ここへ初めて来たとき、この建物がすべてを物語っていた。50、100回...どれくらいこの建物の中を歩いたかわからないけど、とにかく何度も歩いてイメージを膨らませた。スタッフや縁のあるアーティストにもこの建物を歩いてもらい、どんな可能性があるか、いろんなアイデアを話しあった。それが他と違った独自性になったと思う。Trouwはもっと夜を意識した雰囲気だったけど、ここは、いろんなアイデアが実現できるような、新しいことが生まれるプラットフォーム。

ここをクラブにしようと思ったのは直感ですか。

Er: そう、ここを見つけたのはとてもラッキーだったよ。約1年前、友人から「今すごい場所に住んでいる」と連絡があって。それがこの元学校の建物で、アンチスクワットプレイスだった。
(編注: オランダにおいて誰も住んでいない建物は、手順を踏めば合法的にスクワットができる。それを避けるために政府や機関が間に入り、期限付きで格安の値段で貸し出すシステム)
地下に駐車場があって、そこにダンスフロアを作れば大きなベース音を出しても近隣の誰にも聞こえないし迷惑をかけずに済むと思ったしね。

 

学校をクラブにリノベーションするのはどうでしたか。

Er: ダンスフロアは、元々地下の駐輪場だった。全ての壁がコンクリートだったので、音が跳ね返って回ってしまった...だから吸音パネルをどこかで調達する必要があって、実は前のクラブTrouwの壁から剥がして持ってきた(笑)。Trouwは元新聞社だったから、輪転機みたいな轟音で動く機械があった。そのため、壁一面に吸音パネルが貼ってあって、クラブの防音対策にはもってこいの素材だった。フロアはサイズとして最大700人くらいは入るけど、300人が踊ってちょうどいいくらい。DJブースは、目線の高さをオーディエンスと同じ設計した。

せっかくリノベーションしても5年の期限つき契約ですよね。

Er: そう、5年の期限で借りている。ここ一帯が開発予定地区になっていて、僕らはその最初のひとつ。5年後、市がこの建物を壊すのか、僕らと契約を少し延長してくれるのかわからない。でも期間や予算に限りがあるからこそ、よりクリエイティブな工夫が必要になる。例えば、Children of the light ( http://www.children-of-the-light.com/ )というアーティストがライトに関するアートを全て手がけていて、3~4ヶ月ごとにひとつ、インスタレーションを作る予定だから、数年後にはきっとたくさんのオブジェに囲まれている予定だよ。

(後編に続く→ http://bnana.jp/mags/de-school-amsterdam-ernst-metens-2/

*BANANAでは Amsterdam Dance Event 2017のチケット手配、現地アテンドのサービスを行っています。ADEに関しては、オランダ在住の日本人によるコーディネート、通訳、ガイドが可能です。また、日本国内から海外のチケットが購入出来ない場合があります。また、日本語のアナウンスは一切ありません。ご希望の方はお気軽にご相談下さい。
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