前衛的で、刺激的な、ベルリンの実験音楽・電子音楽のフェスティバル「Berlin Atonal」が2017年の第一弾ラインナップを発表

2017.06.13 Tue TEXT:Posivision Amsterdam Photo : Camille Blake(BERLIN ATONAL Official) CATEGORY:news

ベルリンの壁がまだ存在していた1982年に、コンテンポラリー・インダストリアルやノイズ音楽といった実験性の高いアートフォームの最先端としてはじまった「Berlin Atonal」。その後、惜しくも一時休止していたが、23年のときを経て2013年に復活。最新のオーディオ・ビジュアルやインスタレーションとともに実験的かつ先鋭的な電子音楽が集うフェスティバルだ。

2017年2月には世界初のサテライト・イベント『Berlin Atonal presents New Assembly Tokyo』が日本で行われ、その存在を新たに知った人も多いだろうが、この夏、ベルリンにてその第5回目が開催される。会場となるのは、Kraftwerkと呼ばれる発電所の跡地。その巨大で無機質なコンクリートの中で、8月16〜20日の5日間にわたって100組以上のアーティストの壮大な“実験”が繰り広げられる。

このたびチケット発売に合わせて、10のワールドプレミア・ライブショーやスペシャル・オープニングコンサートの内容が明らかにされたので、ここに紹介したい。

まずはUKから、コンテンポラリー・ミュージック界で今もっとも勢いのある二人のコラボレーション、ALTAR。ダブステップにインダストリアルなアポローチを試みた伝説のユニット「VEX’D」のメンバーであり、現在ソロアーティストとして活躍しているRoly Porterと、スリランカ生まれのPaul Jebanasamによる新しいプロジェクトだ。2人の技術とクリエイティビティを集結させて、儀式的なミュージック・パフォーマンスを作り上げる。 こちらもプレミアショーだが、イギリスのアンダーグラウンド・テクノ・シーンを代表するアーティスト、Powellがターナー賞を受賞した世界的写真家Wolfgang Tillmansと組んでオーディオ・ビジュアルショーを披露する。

また、セルビアの工場で人生の大半を過ごし、定年退職後に音楽制作を始めたという音響エレクトロニクス、ドローン作家のAbul Mogarも今回はじめてのライブショーを披露する。ときに胸を締め付けるような感情を揺さぶる彼の不可解な音楽は、音楽業界のビッグネームたちをもとりこにしている。

今年は日本から、Maiko OkimotoがLemna名義で参加することが決まっている。彼女はDJはせずライブパフォーマンスのみを行うアーティストだが、彼女のリズミカルな実験的テクノ・ショーは、それ自体がアート作品になっている。Atonal 2017でのプレミア・ライブショーでは、陰翳の中でこそ生える芸術を作り続けてきた「いにしえの日本の美的感覚」を、国際的な実験音楽の場へ見事に昇華させるだろう。

それと東京在住のミュージシャンであり、プログラマーであるRenick Bellは、熟練サウンドデザイナーのFisを手を組む。Fisの、鋭くまたミステリアスで圧倒的な音に、Bellのライブ・コーディングのアルゴリズムが織りなす先鋭席な表現が吹き込まれることによって、より個性際立つパフォーマンスが生まれる。

他には、中国人のパフォーマンスアーティストPan Daijingによる新しいライブセット、スウェーデンからはPeder とMannerfeltMalcolm PardonによるデュオRoll the Dice、コペンハーゲンからPuce Mary、ロシアはサンクトペテルブルクの人気クラブStackenschneiderでレジデントも務める才媛Inga Mauer等の出演が決まっている。

脳味噌と感覚、心を鷲掴みにされることは間違いないだろう。

過去のフェスティバルの様子はこちら

ラインナップはまだまだこれから発表される予定なので、引き続き注目していきたい。全日チケットのFestival Passportsはすでに発売が開始されているが、各日のIndivisual day ticketは6月中に発売開始予定。

チケット: https://berlin-atonal.com/atonal-2017/

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