ルーマニアン・ハウス・ミュージックはなぜ世界中を虜にするのか。

2015.02.02 Mon TEXT:BANANA CATEGORY:column

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ルーマニア。
ドラキュラ、野良犬、体操、地下で暮らす人々、マイケルジャクソンの伝説のブカレストでのショー...
あなたは何を思い浮かべるだろうか。

ダンスミュージック、とりわけベルリンを中心としたテクノ・ハウスミュージックのファンにとっては、現在最もホットなアーティストを輩出する地域というイメージを持つだろう。
なぜルーマニアのシーンはこれほどまでに世界中が注目するものになったのだろうか。


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現在、ルーマニアン・ハウスの震源地とも言えるブカレストについて触れたい。

中心地ブカレストは伝承によってブクルという羊飼いに創設された街だ。1862年以降、ブカレストは故チャウシェスクによって急速な開発により立派な大都市になった。巨大な建物群の社会主義的モデルの街を目指したのだ。そのため、70年代〜80年代にかけて、色々な旧市街の地区が完全に潰された。(それはブカレストの無数の野良犬がいたことの理由の一つかもしれない)。
ブカレストは100年前には、「東のパリ」と呼ばれていた。(現在の町にこの時代の面影はない)
パリと比べられた理由は並木の幅が広い道路や立派な建物、そして北部にある凱旋門などであった。

そして、1989年の革命。
ブカレストには流血の戦いが勃発して、憤激している鉱山労働者たちは首都を侵略してみた。
今ではその短い内戦の損害が修復され、ブカレストの中心はルーマニアの復興の尺度だ。
またブカレストは治安の面でも話題になることが多い。ニセ警官や盗難、詐欺。歩行者専用の信号は青になっても安全ではなかった。 そんな歴史を経て2012年のEU加盟後、旧市街の国立劇場、チシュミジウ公園と統一広場を中心とし流行のブティックや高級のレストランなどが立ち並び、20世紀の暗い時代は過去のものとなりつつある。

その変化とともに、生まれた文化がある。ダンス・ミュージック・シーンだ。
アーティストたちは、その内側を向いた時代にただ純粋に音楽に出会い、のめり込み、仲間を大切に、独自の音楽を作り上げてきたのだ。
現在ではSunwavesなど、そのシンボルと言えるようなパーティーも有名になりヨーロッパ中から人が押し寄せる。


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もともと2000年代初頭より、ルーマニア全般でクラブは存在し、各地でパーティーは開催されていた。
キッカケの一つは2006年にブカレストでプレイしたRicardo VillalobosによってRareshなど[a:rpia:r]クルーが一気にEU全体のシーンに紹介されたことだろう。
そしてこのことはRAに掲載されたRareshのインタビューに詳しい。
http://jp.residentadvisor.net/feature.aspx?2400

上記インタビューからも伝わるように、特別な起爆材料はなく、生活を、そして、音楽をプレイすることを大切にし、また小さなシーンの中でお互いに音楽にフォーカスし高めあってきたことが分かる。

また、インタビューなどメディア露出の少なさ、リリースするレコードのクオリティに対してプレス量の少なさからくる謎めいた希少性などが重なり、世界の目が一気に向けられたのだ。

だが、当の本人たちは音楽に、そしてパーティーを作ることにただただフォーカスしていただけにすぎない。
結果としてその純粋なエネルギーは、どの国の、どのフロアをも、オリジナルな空間に変える、スペシャルなものへと昇華されたのだ。

現在ではRicardo Villalobosとともにルーマニアン・ハウスの旗手たちは世界のど真ん中にいる。

そして、DJとして世界中をまわる彼らと共に開催されているパーティーが日本にもある。

RhadooやPetre Inspirescu、Valentino Kanzyaniらを招いて開催されてきたBeat in Meだ。

http://bnana.jp/products/beat-in-me_150207

定期的に開催され、ゲストとともに他では見られない素晴らしい空気が出来上がってきているのだ。
今回は、OsloやFear Of Flyingレーベルなどで活躍し、Ricardo Villalobos、Raresh、Rhadoo、Zipらも大絶賛するルーマニアの人気ユニットNoiDoiのメンバー、Baracが登場する。(2013年より、Barac, Dubtilとそれぞれのソロ名義で活動している。)
シーンの最前線で、現在進行形のルーマニアン・ハウス・ミュージックを体現する重要人物の1人である。

大規模フェスや、アーティスト単位ではなく、パーティー単位での楽しみ方を知るにはとても素晴らしい機会だろう。

http://bnana.jp/products/beat-in-me_150207

主催するRAHAのインタビューはこちら
http://bnana.jp/mags/raha-interview-banana-26112014

ぜひ、世界が踊る、最先端のダンス・ミュージックに触れて欲しい。

HUMAN

  • She wants a man, not just a boy

  • Like rain and sun, like cold and heat